スプーン、フォーク、ストローetc。赤ちゃんの飲食のための道具|理学療法士が伝える!楽しくすくすく育つコツvol.10

みなさんは、毎日の子育てを楽しんでいますか。喜びを感じるひとときもあれば、ふと「こんな時、どうしたらいいの?」「これって、このやり方でいいの?」と、迷いが出てくることもあるのではないでしょうか。MotherRingサポーターで運動発達の専門家である理学療法士・得原藍さんによる、楽しみながら子どもの育ちをうながす親子の関わり方のコツを教わる連載です。

◎得原藍さんのMRサポーターページ
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何をどんなふうに使ったらいいの?

離乳食の時期になると、食事のための色々な道具に出会いますね。スプーンやフォーク、箸、ストローやコップ。今は「手づかみ食べ」も流行っていると思います。子育て支援の場でも、親御さんたちの間で道具についての話題で盛り上がることがたくさんあります。今回は、食べることと道具について考えてみたいと思います。

大切なのは食べることを楽しむこと

赤ちゃんにとって離乳食は、一生続く「食べる」という行為の始まりです。食べる、寝る、運動する、は健康の基本。だからこそ「食べる=楽しい」という気持ちを持ってもらいたいですよね。
道具を器用に使うための運動発達も、実は「楽しい」という気持ちと関係があります。人間の運動は、自らすすんで取り組み試行錯誤できたときに、より効率よく発達するのです。使ってみたいと思ったときが、一番伸びる時期、とも言えます。まずは、家族と一緒に食卓を囲み、その中で大人がどのように食べているかを見せてあげましょう。赤ちゃんも、大人がスプーンや箸を使っていることに気がつくと思います。赤ちゃんが興味を持ったら、道具を手に持たせてあげましょう。はじめはもちろんうまく使うことはできませんが、まずは使いたい気持ちを尊重してあげることが大切です。上手になるまでは、「食べる」という目的と、「道具を使う」という目的を切り離して考えてもいいのです。食べる道具で遊びながら、親御さんが口元に運ぶスプーンで食事を進めてもいいですし、赤ちゃん自身が手でつかんで食べてもいいでしょう。

特別な道具が必要なわけではない

赤ちゃん用の飲食のための道具がたくさん販売されています。それらの道具には、大きく分けて二つの種類があります。ひとつは、赤ちゃんの身体に合わせて作られたもの。例えば、横幅の狭いスプーンは、赤ちゃんがしっかり咥(くわ)えて食べものを唇でこそげとるために、赤ちゃんの口に合わせたサイズに作られています。もうひとつは、赤ちゃんに食べさせる大人の便利さを追求したもの。例えば、倒してもこぼれない仕組みのコップや、握る力で簡単につまむことのできるピンセット型の箸などは、赤ちゃんが自分で食べる際のスキルの不足を補うことで、大人が安心して子どもの食事を見守れる道具だと言えるでしょう。

上記のどちらの道具も、赤ちゃんの様子や生活に合わせて、使って問題ありません。けれども、赤ちゃん用に販売されている道具は、最終的には必要なくなるものでもあります。普通のコップから飲めるようになるには、コップを使って試行錯誤することが必要なので何度もこぼして練習することになりますし、普通の箸を使えるようになるにはいつかピンセット型の箸を卒業しなければなりません。いつかは練習するんだなあ・・・という気持ちを持っていてくださいね。

運動発達の視点から言えば、手の器用さは、3歳から6歳くらいの幼児期後期にぐんと発達するので、その頃になると使える道具の種類も格段に増えていきます。子どもたちには個性があるので、とっても器用な子も、なかなか器用に道具を扱えない子もいますが、もし今あまり上手に使えないなと思っても、焦らずに、その子が使いたいもの、その子が使いやすいもの、という視点で道具を選んでみてください。楽しく食事をしましょう。

道具を使う練習をするときのコツ

新しい、より難しい道具を使えるようになるには練習が必要です。その練習は、前述したように、子どもが興味を持ったタイミングで行うのが一番効率が良いです。しかし、上手に使えるようになるまでは、こぼしたり、汚したり、時間に追われる大人にとって困った事態になることも多々あります。そういったときには、新聞紙やビニールシートを使って、汚しても簡単に片付けられる環境を整えてしまいましょう。また、その時期だけ、高いテーブルから低い座卓での食事に切り替えるなど、こぼしてしまった際に汚れを広げない工夫も考えてみるといいかもしれません。興味を持ったときに、できるだけ飽きずに楽しみながら道具を使うのが上手になるコツなので、急がば回れ、です。

 重みのある食器をあえて使う

もう少し具体的なコツもあります。わざと少し重い道具を使ってみることです。プラスチックのコップやスプーンよりは、強化ガラスのコップやステンレスのスプーンのほうが重みがありますね。プラスチックは割れないので便利なのですが、あまり軽すぎる道具は、まだまだ不器用な子どもにとっては操作が難しい場合もあります。食事の道具を投げてしまうかもしれない時期には向きませんが、投げる時期を過ぎたら、割れにくく少し重みのある食器を使ってみてもいいかもしれません。

その日にうまくいかなくても、赤ちゃんの成長は日進月歩です。今日できなかったことが急に明日できるようになる、発達途上の素晴らしい時期です。一番のコツは、一緒に食事をする大人の気持ちの余裕を確保することかもしれません。便利な道具もうまく使いつつ、赤ちゃんの試行錯誤を見守ってあげてくださいね。

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ライター / 得原 藍

理学療法士。大学卒業後、会社員を経て理学療法士の資格を取得。病院勤務を経てバイオメカニクス(生体力学)の分野で修士号を取得。これまでの知識や経験を生かし、現在は運動指導者の育成、大学の非常勤講師などを務める。また、子育て支援団体との協働で運動発達に関する相談を受けたり、外あそび活動などを行っている。6歳男児の母。