産後の体調管理に必要なのは「睡眠」「食事」と「鈍感になる力」|理学療法士が伝える!楽しくすくすく育つコツvol.12

みなさんは、毎日の子育てを楽しんでいますか。喜びを感じるひとときもあれば、ふと「こんな時、どうしたらいいの?」「これって、このやり方でいいの?」と、迷いが出てくることもあるのではないでしょうか。運動発達の専門家である理学療法士・得原藍さんによる、楽しみながら子どもの育ちをうながす親子の関わり方のコツを教わる連載です。

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妊娠で変化する身体〜見た目だけではない身体の中の変化〜

「妊娠は病気じゃない」という言葉を聞いたことがある方もいると思います。確かに妊娠は病気ではないですが、身体には大きな変化が起こります。お腹が大きくなるだけではなく、身体の内側の変化もとても大きいのです。赤ちゃんの成長を支えるために、お母さんの身体の中の栄養素や、酸素や栄養の運搬機能を使うわけですから当然ですね。

赤ちゃんの骨や筋肉、皮膚や臓器は全て、お母さんの身体から手渡される栄養で作られていきます。またお母さん自身の身体も、妊娠の10ヶ月間で、血液はおよそ4割増加しますし、それに伴って、心臓や腎臓など主要な臓器も普段以上に働く必要が出てきます。妊娠後期にもなれば、大きくなった子宮ですべての臓器が圧迫されて、横隔膜が押し上げられることで呼吸すら苦しくなってきます。そう考えると、よくある「お父さんの妊婦体験」というのは重さだけに注目した困った体験会なのですが・・・それはそれとして、お母さんの身体には想像以上の変化が起きているのだ、ということを理解することが重要です。

そして、産後も、変化した身体はすぐには元には戻りません。1年間かけて徐々に変化した身体ですし、産後の授乳等でまた別の変化も起きてきます。それに、赤ちゃんとの新しい生活は大人だけでの生活とは全く違いますから、心身が疲れることも多いと思います。今回は、産後の体調管理について、いくつか重要なポイントをお伝えしたいと思います。

産後すぐの身体は「睡眠」と「食事」を大切に

産後すぐの身体は、経膣分娩でも帝王切開でも、大きな傷を治すエネルギーを必要としています。出産時には出血を伴いますし、会陰切開や帝王切開による傷の治癒にも時間がかかります。また、胎盤が剥がれた子宮内部からの悪露(おろ・生理のような出血のこと)もしばらく続くでしょう。全身の倦怠感や疲労感もあると思います。

この時期に何より大切なのは、「睡眠」と「食事」です。日中もできるだけ休息をとりましょう。新生児期の赤ちゃんは胃も小さく、一回の授乳で得られる栄養の量が限られていることから、昼夜を問わず頻回の授乳を必要としています。それに対応するだけで、お母さんはエネルギーをかなり消耗します。5分でも10分でも、赤ちゃんが眠りに落ちたら、横で一緒に休んでください。横になるだけで、体力の温存だけでなく、骨盤底筋や腹筋群にかかる力は軽減されますし、浮腫んだ足に溜まった水分を代謝する助けにもなります。

食事はどうしても簡単なものになりがちだと思いますが、たんぱく質や脂肪分、鉄分をしっかり摂取するようにしましょう。特に母乳育児の場合、母乳で赤ちゃんに与える分と、お母さん自身の身体を維持する分、両方を考えなければなりません。全身の細胞はたんぱく質でできていますし、細胞の膜は脂質(コレステロール)でできています。出産によって出血がありますから、鉄分も重要です。簡単な食事だとどうしても炭水化物に偏りがちなので、不足しやすい栄養素を意識しましょう。

納豆、卵、しらす干し、豆乳、牛乳、ヨーグルトなどは簡単にたんぱく質を摂取できる食物なので、毎食どれか一つを足してみるといいでしょう。鉄分は動物性のもののほうが身体で吸収しやすいので、赤身のお肉や魚、嫌いでなければレバーなどを食事に取り入れられるといいですね。脂肪分に関しては、産後のダイエット目的で極端に減らす方もいますが、上記の牛乳やヨーグルト、お肉や魚を取り入れる際に十分摂取することができます。どちらかというと、あえて「無脂肪」などを選ばなくて良い、という発想で考えていただければ良いと思います。

重要なのは、人に頼る力、鈍感になる力

休息と食事以外にもぜひ気をつけてもらいたいことがあります。それは、自分に厳しくなりすぎないことです。「人に頼る力」と「鈍感になる力」を手に入れてください。

出産直後とはいえ、自宅にいることで家事を行うのは当たり前と感じるかもしれませんが、一番大切なのは赤ちゃんの生活とお母さん自身の身体を支えることです。同居している家族がいれば、家事をできるだけ手伝ってもらいましょう。また、行政や民間のサービスも検討してください。新生児の世話は、大変なのです。大変です、と声を出せるようにしましょう。

また、家族に手伝ってもらう場合や、自分で家事をしなければならない場合は、仕上がりに鈍感になってください。シーツの皺や床の埃よりも、自分の身体に気を使いましょう。家事の仕上がりは二の次でいいのです。家事については、ここでしっかり体力を回復すれば、後でいくらでも挽回できます。睡眠を削って家事をすることは極力避けてくださいね。

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ライター / 得原 藍

理学療法士。大学卒業後、会社員を経て理学療法士の資格を取得。病院勤務を経てバイオメカニクス(生体力学)の分野で修士号を取得。これまでの知識や経験を生かし、現在は運動指導者の育成、大学の非常勤講師などを務める。また、子育て支援団体との協働で運動発達に関する相談を受けたり、外あそび活動などを行っている。6歳男児の母。