赤ちゃんの成長に合わせた「話しかけ」のコツ|理学療法士が伝える!楽しくすくすく育つコツvol.8

みなさんは、毎日の子育てを楽しんでいますか。喜びを感じるひとときもあれば、ふと「こんな時、どうしたらいいの?」「これって、このやり方でいいの?」と、迷いが出てくることもあるのではないでしょうか。運動発達の専門家である理学療法士・得原藍さんによる、楽しみながら子どもの育ちをうながす親子の関わり方のコツを教わる連載です。

赤ちゃんにどんな風に話しかけたらいい?

赤ちゃんが産まれてから、赤ちゃん本人が話し出すまでには時間がかかります。それまでのあいだ、なにを話しかけたらいいかわからない、というご相談をよく受けます。特に新生児期は目が合うかな?合わないかな?という状態ですし、話しかけると言われても…というのは多くの親御さんが一度は感じたことがある気持ちなのではないでしょうか。

発語のための身体の発達とあそび

赤ちゃんが言葉を覚える過程では、単語を知る、ということももちろん大切ですが、それ以前にお口や喉の構造と運動機能が発達して舌を上手に使えるようになる、という身体の側面の成長も考える必要があります。喃語と呼ばれる「あー」「んー」というような、何か話したそうだな?と思えるような音を発するにも、唇をしっかり閉じたり開けたり、音の調節をしたり、動きの練習が必要なのです。

そういった視点で考えれば、赤ちゃんが泣いたり、大声を出したりすることも、空気の出し入れと音との関係を学んでいるのだ、と捉えることもできます。ぶぶぶぶーっと唾を飛ばしてみたり、お口におもちゃを入れながらうーうーと声を出してみたり、そういった遊びの中での口の動きも、重要な発達のためのステップです。自分の口の動きと、動かしたときの感覚と、そこから出る音や周りの反応を遊びながら、発語の下準備をしているのです。どうしても唾液が出るので汚れが気になるかもしれませんが、赤ちゃんのお口の遊びはどんどんやらせてあげてください。

また、声を出すときの舌や口の動きは、自然に出てくる部分も、周囲の大人や兄弟姉妹の口の動きを真似して学ぶ部分もあります。赤ちゃんの視界に入って、口の動きをしっかり見せながら話しかけられるといいですね。

日常生活でできる話しかけの工夫

話しかける言葉は基本的になんでもよく、絵本の読み聞かせでも、問いかけでも、お父さんお母さんの気持ちを聞いてもらうのでもかまいませんが、コツは、話しかけていることがわかるようにすることです。たとえば、首がすわる前の赤ちゃんに話しかけるときは、視界に入ってあげましょう。自分ではまだ声の聞こえる方向に首を動かせないですから、目を見て話しかけてあげることで赤ちゃんは声に集中することができます。
また、行為の説明をしてあげることも、その後の言葉の理解に繋がりやすいです。抱っこするとき、おろすとき、おむつを替えるとき、服を着替えさせるとき。そういったタイミングで「抱っこするね」「おむつを替えてスッキリしたね」「服に腕を通すよ〜」など、声を掛けてあげてください。抱っこされるんだ、これがスッキリということか、腕を通すってこういうことか、と、繰り返していくうちに理解が進んでいきます。出かける日には、朝から、今日は出かけるよ、と声かけしてあげてくださいね。心の準備ができるようになります。声かけは、まだ芽が出ない土の中の種に水を蒔くような行為です。芽が出るのを楽しみに、根気良く続けてみてください。

声が出るようになってきたら

喃語が出るようになってきたら、話しかけるときに、相手の返答を待つようなリズムを意識してみましょう。よく「言葉のシャワーを」と言いますが、コミュニケーションはキャッチボールが前提ですから、片方から投げっぱなしではなく反応を待つ時間も必要です。「(離乳食の)この味はおいしいかな?」「お腹すいたかな?」など、ゆったり話しかけてみましょう。反応してくれると、嬉しいですよね。反応してくれたときには、こちらの喜びを伝えてあげましょう。「そうなの、おいしいのね」「お返事できるのね」など、まだ言葉にならない気持ちや様子を代弁するのもいいでしょう。
寝返り、ずり這いやハイハイなど、自らの意思で移動できる赤ちゃんには「こっちまできてごらん」などのお誘いも楽しいですね。すぐには到達できないかもしれませんが、お父さんやお母さんのところに移動する、というのはとってもモチベーションの上がる行為ですから、声かけをして励ましながら楽しみたいですね。

話しかけと心

以前、『遠野のわらべうた』と呼ばれる、岩手県の遠野と呼ばれる地方に伝承されている赤ちゃん向けのわらべうたを歌う方にお会いしたことがあります。赤ちゃんの顔をしっかりと見つめて、とてもやさしく穏やかな声で、話しかけるように音を出しているのが印象的でした。そうして声を聴く赤ちゃんのほうも、だんだんとうっとりとおだやかになっていきました。それまでぐずっていた赤ちゃんまで静かに音に耳を澄ませるような顔になっていき、驚きました。おそらく、相手の気持ちと同調するような心身の機能が、わたしたち人間には備わっているのでしょう。一番近くにいる大人がやさしく穏やかに自分に対して話しかけてくれる存在である、ということで、赤ちゃんは安心するのかもしれませんね。

もちろん親も人間ですから、心身共に波はあると思います。いつもそうでなければいけない、と頑張る必要もありませんが、ぜひコミュニケーションを楽しんでみてください。

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ライター / 八田 吏

株式会社 元中学校国語教師。産後ケアの普及に取り組むNPO法人にて冊子の執筆編集に携わったことをきっかけにライター、編集者として活動開始。小学生・中学生の男児、夫と4人暮らし。