赤ちゃんが寝ない!なぜ?どうすればいい?|赤ちゃんとの生活「困った!」Q &A

赤ちゃんが生まれてくれたのはうれしい。ずっと見ていたいぐらいかわいい。でも、ぜんぜん寝ない!
そんな悩みを抱えるお母さんは多いのではないでしょうか。やっと眠ったと思っても、すぐに泣きながら起きてしまう。夜中、ずっと泣きっぱなしでヘトヘト……。そのうち「早く寝てほしい」と焦ってしまって、その気持ちが赤ちゃんに伝わるかのようにますます寝てくれなくなることも珍しくありません。
なぜ、赤ちゃんが寝てくれないのか。その原因と、一度試してほしい対処法、また、お母さんがラクになるために大切なことを紹介します。

<目次>
赤ちゃんが寝ない原因とは?
赤ちゃんが寝ない時に試してほしいこと
夕方になると激しく泣き出す「たそがれ泣き」の対処法
一番大事なのは、お母さんが眠れていること

赤ちゃんが寝ない原因とは?

赤ちゃんが寝ない原因、その一つは、睡眠リズムがまだ整っていないことにあります。
特に生後1ヵ月くらいまでの赤ちゃんは、眠りにつく時間すら安定していません。私たち大人は朝起きて、夜眠る習慣が当たり前になっていますが、赤ちゃんがその生活に慣れていくには時間が必要です。大人の私たちが赤ちゃんに合わせながら、少しずつ睡眠リズムを整えていくことになります。
また、赤ちゃんは、浅い眠り(レム睡眠)の時間が長いため、眠ったと思っても、小さな物音や電気の灯りなどが刺激となって目が覚めてしまうことがよくあります。外出が増えていく生後2、3ヵ月頃からは、日中に強い刺激を受けると脳に残ったままになり、夜、興奮して起きるようにもなります。

ただ、生後6ヵ月頃からは昼夜の区別がつくようになり、6~8時間などまとめて寝てくれるようになってきます。1歳頃には睡眠時間が安定してくることが多いので、安心してくださいね。
そのほか、赤ちゃんが寝ない原因としては、赤ちゃんが不快感を訴えている場合があります。おむつが汚れている、お腹がすいているなど。さらに、病気のサインの場合もあります。いつもより泣き方が激しい、顔を真っ赤にしながら泣く、または母乳やミルクを飲もうとしない、嘔吐など。何かおかしいと思って額に手を当ててみたら、発熱していた!ということもあります。異変を感じたら、できるだけ早く小児科を受診してください。

赤ちゃんが寝ない時に試してほしいこと

赤ちゃんがなかなか寝ない時に、試してほしい対処法を3つご紹介します。ただ、性格や普段の環境によって相性もあるでしょう。赤ちゃんとお母さんに合った無理のない方法を試してみてください。
・生活リズムを一緒につくる
朝起きたらカーテンを開けて、赤ちゃんと一緒に朝日を浴びましょう。赤ちゃんに「おはよう」と声をかけ、朝が一日の始まりだと教えてあげます。日中はひなたぼっこをしたり散歩に出かけたり、身体を動かすようにします。外が暗くなったら、眠りにつく準備をし、決まった時間に寝かしつけをします。
寝かしつけの時には、絵本を読んだり、子守唄を歌ってあげたり、赤ちゃんの身体を優しくトントンしたり、赤ちゃんが安心して眠れるようなルーティンをつくってあげて。こんなふうに一日の生活リズムを一緒につくっていくことで、赤ちゃんも発達に合わせて少しずつ、朝と昼、夜の違いを覚えていくようになります。
・赤ちゃんの不快感を取り除く
おむつが汚れていないか、母乳やミルクが足りていないか、お腹が張っていないか、部屋の温度や湿度は季節に合っているか、テレビの音が大きすぎたり部屋が明るすぎたりしていないか。赤ちゃんが不快に感じていないか、できるだけ確かめて一つひとつその原因を取り除くようにしてみてください。赤ちゃんがどんなことで不快に感じるのかもわかるようにもなるのでおすすめです。
・手足を温める
大人でも、ぐっすりと眠るためには、リラックスした気持ちで布団に入ることが大切です。赤ちゃんに対しても同じように、できるだけふかふかの布団を用意する、優しい音色の音楽をかけるなど、どうすれば心地よく眠りについてくれるかを想像しながら、環境をつくりましょう。
寝かしつけでは、赤ちゃんの手足を、お母さんの体温が伝わるように手で優しく包み込んでみてください。赤ちゃんとのスキンシップにもなり、気持ちが落ち着いてくるのを感じられるかもしれません。

夕方になると激しく泣き出す「たそがれ泣き」の対処法

赤ちゃんは、特に理由がないのに泣いている場合があります。夕方になるとせきを切ったように泣き始めてぐずってしまう「たそがれ泣き(コリック)」は、よく知られていますよね。「何をしても泣き止んでくれない」とお母さんを困らせてしまう赤ちゃんならではの行動です。でも、生後3ヵ月頃にはおさまることが多く、いつまでも続くわけではありません。
腕の中でゆりかごのようにゆっくりと揺らしてみる、お腹を中心に優しくマッサージする、子守唄を歌う、おくるみで包んでみるなどしてみてください。こんなふうに、「今だけ」と自分を励ましながら赤ちゃんに付き合うか、お父さんやまわりに人に抱っこをしてもらうようにし、何とかその時期を乗り切って。赤ちゃんが泣くのは、元気な証拠でもあります。そのうちすやすやと眠ってくれるようになりますので、日中に赤ちゃんとの思い出をたくさんつくるなど楽しいことに目を向けるようにしてくださいね。
ただ、どうしても難しい時は、外の空気にあたる、赤ちゃんを安全な場所にそっと置いてお母さん自身がその場を離れるなど、気持ちを休める方法を試してみてください。

一番大事なのは、お母さんが眠れていること

「赤ちゃんは泣くのが仕事」とよくいわれますが、それでもやっぱり泣いてばかりで寝てくれない日が続くと、つらいですよね。特に、泣き続ける赤ちゃんと部屋に二人きりの状態が何日も重なることは、お母さんが自分を追い詰めてしまう原因になってしまいます。「うちの子、どうして寝ないんだろう」という気持ちが赤ちゃんに向いてしまうことにもなりかねません。
最も大事なのは、お母さんが一日のうち小刻みにでも深い眠りを感じていられることです。そのためには、まわりの人に赤ちゃんを抱っこしてもらうなど、お母さん一人で抱えないように環境をつくる必要があります。
まずは、子育てのパートナーである夫と話し合い、赤ちゃんが泣いた時の役割を分担してください。夜泣きの時、または週に何回か、それが難しければ週末だけでも抱っこをしてもらえばお母さんの負担は大きく減ります。その際、お母さんだけが別室に行くなど少しでも眠るようにしてください。
どうしてもまわりに代わってくれる人がいない場合は、ドゥーラに頼ってみてください。子育て経験もあり、何よりお母さんの気持ちに寄り添いながら子育てをサポートしてくれるドゥーラは、赤ちゃんが泣き止まなくても大きく構えて対処してくれます。自治体によっては補助を受けられることもあります。試してみてください。
赤ちゃんが泣き止んでくれなくて、寝不足の日が続いて、思いつめてしまったり、倒れてしまったりする前に、後回しにしがちな自分のケアを大事にください。赤ちゃんが泣き続けることは、お母さんのせいではありません。赤ちゃんもお母さんも健やかな毎日を送るために、まわりの人に自分がどうしたいのか気持ちを伝えて、一緒に乗り切ってくださいね。

<参照>
赤ちゃんが寝ない原因を月齢別に解説! 新生児の寝かしつけのコツや寝ない赤ちゃんへの対処法【助産師監修】(小学館)
・赤ちゃんが泣き止まない 泣きへの理解と対処のために(厚生労働省)
・コリック(黄昏泣き)は放置していい?いつまで続く?原因と対策(All About)
・コリック(黄昏泣き)とは?症状と対処法(パンパース)
・「赤ちゃんが泣き止まない…」追い詰められる前に 小児科医が答える夜泣き対策
ライター/たかなしまき

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ライター / 高梨 真紀

ライター。業界紙記者、海外ガイドブック編集者、美容誌編集者を経てフリーランスに。子育て中の女性や働く女性を中心に取材を重ねる。現在は食、散歩、社会的な活動など幅広く活動。ライフワークとして、女性と子どもなどをテーマにした取材も続ける。2人の娘の母。