育休からの復帰。直前期に必要な準備や心構えは?|理学療法士が伝える!楽しくすくすく育つコツvol.17

みなさんは、毎日の子育てを楽しんでいますか。喜びを感じるひとときもあれば、ふと「こんな時、どうしたらいいの?」「これって、このやり方でいいの?」と、迷いが出てくることもあるのではないでしょうか。MotherRingサポーターでもある運動発達の専門家、理学療法士・得原藍さんによる、楽しみながら子どもの育ちをうながす親子の関わり方のコツを教わる連載ですMotherRingJOURNAL読者のみなさんから寄せられた「子どもの発達」や「育児」についてのお悩み相談に、詳しく丁寧にお答えします。

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もうすぐ保育園入園。今のうちにできるようにしておいた方がいいことは?

得原さん、こんにちは!1歳1ヶ月の男の子の母です。
4月に仕事復帰を控えており、息子も4月から保育園に入園予定です。親と長時間離れての集団生活は初めてなので、とにかく不安がいっぱいです。
早生まれなので、同学年のお子さんと比べると幼いのが心配です。まだ夜中はおっぱいを飲んでいるのですが、3月中に離乳したほうがいいか迷っています。そのほかのことも、本当は子どものペースで成長していってもらいたいと思いつつも、わたしも仕事が始まるのでどこまでしっかり子どもを見られるかも心配です。

保育園入園にあたり、これだけは準備しておいた方がいい、できるようにしておいた方がいいことはありますか?(埼玉県:Aさん)

保育士は保育の専門家。不安なことがあれば伝えてOK

こんにちは、ご相談をお寄せくださってありがとうございます。1歳1ヶ月のお子さんがこの春入園とのこと、おめでとうございます!お子さんにとってもご家族にとっても、ひとつ世界が広がるタイミングですね。不安になることもあると思いますが、子どもは少しずつ社会へ開いていくことでぐんと成長します。家族みんなで小さな一歩を支えてあげたいですね。

保育園入園にあたってまず最初にお伝えしておきたいことは、これからお子さんを預ける保育園の保育士はこれまで何十人・何百人も子どもを見てきた保育の専門家だということです。毎年、不安を抱えたお母さん・お父さんにもたくさん出会ってきています。ここから先は、平日お子さんが起きている時間の半分以上を見てくれることになりますし、家族と子どもの一番身近な理解者になってくれることでしょう。子育ての伴走者と言ってもよい存在ですから、不安なことがあったらお互いに対話する時間を少しでも持つようにして、一緒に解決していけるような関係を築いていけるといいですね。「〜が不安なんです、いろいろあると思いますがよろしくお願いします!」と一声かけておくだけでも、お互いの緊張がほぐれるのではないでしょうか。ぜひトライしてみてくださいね。お子さんも、自分を見てくれている大人たちが連携していることって肌で感じますし、とっても心強いんですよ。

月齢の差は少しずつ埋まる

ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、詳しいご相談の内容にうつりますね。
まず、お子さんが早生まれで、同学年の子たちよりも幼いことが不安、とのこと。そうですよね、この時期に1年違うと、びっくりするくらい周りの子が大きく見えるのではないでしょう。でも大丈夫です。その差は少しずつ埋まってきますし、早生まれの子にとっては周りに先輩がたくさんいるようなもの。よく見てよく真似して育つのが人間の子どもの特徴ですから、集団生活をすることで伸びてくる部分がたくさんありますよ。ゆっくり見守っていきましょう。

離乳は「入園までに!」と気張らずに

3月中の離乳についてですが、いまから試みるとなると、お子さんにとっては3月の離乳、4月の入園と、チャレンジングなことが続くことになります。離乳はゆっくり時間がかかることが多いので、絶対に4月までに!と気張らずに、ゆったりした気持ちで進めていきましょう。4月の新しい生活が始まると、しばらく慣れるまでのあいだ、よりおっぱいへ執着する様子も見られるかもしれません。新しい生活の緊張をどこかで緩めたい、というのは大人も子どもも同じなんですね。夜間に眠れないことはつらいところなのですが、授乳はお母さんの脳にもオキシトシンというホルモンが出るので、お母さんにとってもリラックスにつながります。日中離れた時間のぶん、お互いに安心し合える時間だと思えると少し気持ちが楽になるでしょうか。お子さんが新生活に慣れてくると、少しずつ親の生活も整ってきます。あまり焦らずスロースタートでいきましょう。スロースタートのためにも、事前にご家族で協力体制を整えておいたり、職場の方とも復帰に際しての不安を話しておくと、大人どうしで助け合えることが増えると思います。それから、いま一番大変なこと、例えば離乳食の準備など、負担になっていることがあればそちらを一旦停滞させてもいいと思います。市販のベビーフードに頼ったり、大人の食事にお弁当を買ってきたり、ちょっと手を抜けることを探してみてくださいね。

入園までに、ぜひ通園ルートを歩いてみて

保育園入園までの期間、必ずやっておいたほうがいいことはありますか、とのご質問もいただきました。生活上のことは、少しずつ家族みんなにフィットさせていくものなので焦らなくてよいですが、ひとつだけ、ぜひやっておいてほしいことがあります。それは、お子さんを連れて、何度か通園ルートを歩いてみることです。いま想定している通園方法(抱っこ、ベビーカー、自転車、徒歩など)で、4月からここの保育園に行くんだよ〜とお子さんに話しかけながら、一緒にお散歩してみてください。朝の通園時間に合わせてみると、さらにいいですね。まだしっかり記憶できるわけではないですが、小さな赤ちゃんでも、何度かみたことがある、何度か経験したことがある体験は、はじめてのことよりもずっと受け入れやすいものです。日常生活でも、今日は〜する予定だよ、あと少ししたらお着替えして出かけるよ、など、事前の情報を伝えてあげるようにすると、お子さんも「心の準備をする」という練習ができますね。ぜひ、4月になるまでのあいだ「一緒に声をかけ合いながら心の準備をする」毎日を過ごしてみてください。

最後になりますが、お母さんも、お仕事復帰おめでとうございます!晴れやかな気分で、少しずつご自分の社会生活を子育てに馴染ませていってください。応援しています。

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ライター / 得原 藍

理学療法士。大学卒業後、会社員を経て理学療法士の資格を取得。病院勤務を経てバイオメカニクス(生体力学)の分野で修士号を取得。これまでの知識や経験を生かし、現在は運動指導者の育成、大学の非常勤講師などを務める。また、子育て支援団体との協働で運動発達に関する相談を受けたり、外あそび活動などを行っている。6歳男児の母。