みなさんは、毎日の子育てを楽しんでいますか。喜びを感じるひとときもあれば、ふと「こんな時、どうしたらいいの?」「これって、このやり方でいいの?」と、迷いが出てくることもあるのではないでしょうか。運動発達の専門家である理学療法士・得原藍さんによる、楽しみながら子どもの育ちをうながす親子の関わり方のコツを教わる連載です。
-目次-
1.2人目の妊娠で腰痛に苦しんでいます
2.妊娠によって起きる体の変化は大きい
3.腰痛予防で取り入れたい「ベルト」「段差」「姿勢」の工夫
4.上の子の「抱っこして!」にどう応える?
2人目の妊娠で腰痛に苦しんでいます
藍さんこんにちは。
上の子どもが2歳5ヶ月、現在妊娠4ヶ月の妊婦です。
まだお腹はそんなに大きくなっていないのに、腰痛に悩まされています。家事もですが、子どものお世話でかがんだり抱っこしたりするときが恐怖で・・・
腰痛を軽減するためのケア方法や、腰痛が悪化しない日常生活の工夫、体勢の取り方などがあればぜひ教えてください。
妊娠によって起きる体の変化は大きい
こんにちは、ご質問ありがとうございます。ふたりめの妊娠とのこと、おめでとうございます。上のお子さんは2歳なのですね。これからお腹も大きくなっていきますし、日々の生活にも腰痛予防の工夫ができるといいですね。
妊娠すると、お母さんの身体は大きくなっていく赤ちゃんを臨月まで保持するために、いろいろ変化を起こします。たとえば、目には見えないですが、胎盤に血液を送るために少しずつ体内の血液量も増えていきますし、それに伴って血圧も上がることがあります。また、お腹が大きくなるにつれて、押し広げられるように肋骨の下部も外側に張り出し、臨月近くになると肺が下から圧迫されて息切れも激しくなります。さらに、よく「シックス・パック」と呼ばれる腹直筋も、中央部から左右に分かれるように広がります。どれも、赤ちゃんの成長に伴って徐々に起きてくることなので、お母さん本人の意識にはなかなかのぼらないかもしれませんが、かなり大きな変化であることに間違いありません。「妊娠は病気じゃない」というようなことを言う人もいますが、身体の変化という意味では病気や怪我に匹敵する変化だと思います。大事にしてほしいと思います。
腰痛予防で取り入れたい「ベルト」「段差」「姿勢」の工夫
今回質問してくださった方のように、ふたりめの妊娠となると、身体の変化は尚更です。特に、腹部の筋は一度内側から引き伸ばされているわけですから、ふくらんだあとの風船のようなもの。二度目の妊娠では早めにお腹が出てくる、という方が多いのは、構造的にふくらみやすいお腹になっているからです。それはつまり、前方に緩んでいくお腹まわりを支えるために、背中の筋や肩まわりの筋が頑張って姿勢を維持する役割を果たさねばならないということなのですね。腰痛が出やすくなって当然です。
対処方法ですが、4か月でしたらまずは、さらしや妊娠用の骨盤ベルトなど、試してみましょう。前方にせり出しやすくなっている状況を、物理的に援助するためです。少ししっかりとした生地の腹巻き、ゆるくサポートしてくれる下着なども良いと思います。これから段々とお腹が大きくなってきますから、きつすぎるものはいけません。日常生活の立ち座りで息苦しさを感じない程度のやさしい締め付けのあるものを使用しましょう。
それから、家事動作の中で10センチ・15センチほどの段差を利用しましょう。100円ショップで売っているような踏み台で十分ですし、家に空き箱などがあればその中に丸めた新聞紙を詰めたものなどでも代用できます。立ち仕事の際に、片足を乗せるだけで体重のかかり方が変化して楽になります。ときどき乗せる足を入れ替えてくださいね。
そして、とても地味なことではありますが、ベッドや布団からの起き上がりは必ず横を向いてから、手で体重を支えること。重いものを床から持ち上げるときには、かならず膝を曲げてしゃがんだ姿勢で荷物を持ち、脇を締めて立ち上がること。いわゆる腰痛予防のための家事動作として、動画サイトなどでもたくさん紹介されていますが、大切なのは「意識すること」です。不意の動作はぎっくり腰などの急性の怪我も引き起こしますから、腰を守ることに気を配ってくださいね。
上の子の「抱っこして!」にどう応える?
さて、2歳のお子さんの抱っこについては、少しゆっくり対話していくことから始めてみてください。お母さんのお腹の中に赤ちゃんがいること、赤ちゃんはお兄ちゃん/お姉ちゃんがいて喜んでいると思うこと、そして、赤ちゃんが生まれても大事に思う気持ちは変わらないこと。2歳の子にとっては、これまで独り占めしてきたお母さん・お父さんを、下の子と共有し合う関係になるということですから大事件です。じっくり、ゆっくり、お子さんが話を聞ける状態のときを見計らいながら繰り返し話をして、一緒に誕生を楽しみにできるような関係を構築したいですね。「赤ちゃんができたから、抱っこしてもらえなくなった」ではなく、「赤ちゃんがやってくる今の状況に、ぼく/わたしも協力しているんだ」と思ってもらえたら良いなと思います。そのうえで、「お母さん、腰が痛いから、抱っこは椅子に座っているときでいいかな」と提案してみてください。だっこ、とせがまれたら、「じゃあ、ちょっと待ってね、椅子に座るね」と、ワンテンポ置きます。だっこと座るをワンセットでおこなう、ということです。そして、「お母さんの腰を大事にしてくれてありがとう」と伝えてみてください。子どもは、お母さんの助けになることがとても好きです。言うことを聞かせる、のではなく、協力を仰いでお礼を伝える関係は、この先もずっと大切な信頼関係ですから、ぜひこの機会に関係性を育ててください。お父さんの協力をあおげるようなら、お母さんの腰を慮った声をかけてもらうのも、よいと思います。それを真似して、お子さんも、ああいまお母さんの身体をいたわるときなのだな、と学んでいきます。家族が増えるということは、家族の中の「協力関係」ができていくということ。どうぞ妊娠期間を楽しみながら、上のお子さんと、4人の生活をイメージしていってくださいね。
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