離乳食期でも、子どもと一緒に食卓につくべき?:理学療法士が伝える!楽しくすくすく育つコツVol.38

みなさんは、毎日の子育てを楽しんでいますか。喜びを感じるひとときもあれば、ふと「こんな時、どうしたらいいの?」「これって、このやり方でいいの?」と、迷いが出てくることもあるのではないでしょうか。運動発達の専門家である理学療法士・得原藍さんによる、楽しみながら子どもの育ちをうながす親子の関わり方のコツを教わる連載です。

離乳食ごはんがどうしても親子別々になってしまう

得原さんこんにちは!離乳食完了期に入り、子どもがもりもり食べるようになるにつれて悩みが出てきました。
子どもの世話につきっきりで、なかなか自分の食事がとれないのです。
仕方がないので、最近は子どもの食事だけ先に用意して食べさせ、親のわたしはあとから、
ひどいときにはキッチンに立ったままでかきこむこともしばしば。

子どもと一緒にごはんを楽しめるのはいつの日か、と遠い目になっています。
情操的にも、ひとりでご飯を食べさせていいのかな?と心配です。

何かいいアドバイスをいただければありがたいです。

後ろめたく思わなくてOK!

こんにちは!ご質問ありがとうございます。お子さんが離乳食完了期に入って、もりもりご飯を食べているとのこと、よく食べてくれることはうれしいですね。一方で、スプーンでゆっくりと一口ずつしか食べなかった頃のように、大人のペースで食事をコントロールできなくなってくる頃でもあります。お母さんたちは手の休まる暇がなくなってしまいますよね。

まず「情操的にも、ひとりでご飯を食べさせていいのかな?」と心配されている点ですが、いまは「ひとりで食べさせている」という状況ではないと思います。一緒に食卓について、お子さんがひとりではできないことを手伝っているのですから、後ろめたく思わないで大丈夫です。けれど、お子さんと一緒に食事をしたい、という気持ちもあるのですよね。今日はお子さんの発達の状況について考えながら、一緒に食事をするということについて考えてみましょう。

おにぎり、バナナetc。お母さんと同じように食べられるものからのスタートがおすすめ

そろそろ離乳食が終わる、ということは、お子さんはもう歩き出している頃でしょうか。歩き出すと身体のバランスの取り方も上手になり、食事に向かうときにも、遠くのものに手を伸ばしたり、カトラリーを使おうとしたり、離乳食を「食べさせてもらっていた」時期とは違うさまざまな動作が表れてきていると思います。自由自在に動けるようになった足と、歩けるようになったことで届く範囲が広がった手。この2つが揃ったら、子どもたちは「自分でできることをどんどん増やしていく」時期に入ったと言えます。楽しみですね。
ただ、もちろんまだまだ全てをうまくこなすことはできません。身体の動きというのは、身体の中心に近い方から順に、手先・足先にむかって発達していきます。指先が器用になってくるのはもう少し先なのです。だから、いまはまだ、食べたい気持ちほどには手先が器用になっていない時期でもあるのです。

そこでひとつ提案です。手やカトラリーを使っての食事を練習していくためにも、余裕のある時はお母さんと一緒に食べられるものを用意してみてはどうでしょうか。例えば、おにぎりです。「手で掴んで齧りとる」のは、食べ物が崩れない強さで上手に物を掴む事、それを口に運ぶこと、適切な量を齧りとること、など、離乳食完了期におぼえておきたい動作がたくさん含まれています。お母さんも、おにぎりなら一緒に食べることができるのではないでしょうか。そのほかにも蒸したさつまいもや、バナナなど、齧りとって食べる練習ができるものはたくさんあります。細長く切った大根やにんじんを、柔らかく煮たものもいいですね。まずお母さんが食べるところを見せるところから始まると、スムーズで良いかもしれません。

まだしばらく「完全に手が離れる」までは時間がかかりますが、工夫をしながら楽しんできたいですね。

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ライター / 得原 藍

理学療法士。大学卒業後、会社員を経て理学療法士の資格を取得。病院勤務を経てバイオメカニクス(生体力学)の分野で修士号を取得。これまでの知識や経験を生かし、現在は運動指導者の育成、大学の非常勤講師などを務める。また、子育て支援団体との協働で運動発達に関する相談を受けたり、外あそび活動などを行っている。6歳男児の母。