みなさんは、毎日の子育てを楽しんでいますか。喜びを感じるひとときもあれば、ふと「こんな時、どうしたらいいの?」「これって、このやり方でいいの?」と、迷いが出てくることもあるのではないでしょうか。運動発達の専門家である理学療法士・得原藍さんによる、楽しみながら子どもの育ちをうながす親子の関わり方のコツを教わる連載です。
-目次-
1.ぐずりがひどい子どもに困っています
2.「わかる」と「がまんできる」は別のこと
3.夕方の不機嫌は「疲れ」や「不快」のサインかも
4.機嫌の裏にある「ゆらぎ」を見る
ぐずりがひどい子どもに困っています
藍さんこんにちは。3歳の息子についての相談です。幼稚園から帰ってきておやつを食べるあたりまではご機嫌なのですが、夕方になると、必ずといっていいほど不機嫌になったり癇癪を起こしたりするので困っています。何を言っても、どんなおもちゃを渡しても「いや!」「これじゃない!」と怒り出し、夕食やお風呂も毎日ひと騒動です。日中ワンオペなので正直いっぱいいっぱいですし、本人も辛そうです。子どもが落ち着くためのアドバイスをいただけると嬉しいです。
「わかる」と「がまんできる」は別のこと
こんにちは。ご質問ありがとうございます。3歳のお子さんがいらっしゃるのですね。少しずつ会話もできるようになってきて、それと同時に自己主張も強くなってきて、赤ちゃんから一歩抜け出した子どもらしさたっぷりの時期を過ごしているのではないかと思います。ご相談は、夕方のご機嫌の悪さについて。今回は、3歳頃の発達や生活について振り返りながら、どうしたらお子さんが落ち着くことができるか、一緒に考えてみましょう。
まず、3歳という年齢を心理的な発達の面から考えると、少しずつ「おままごと」などで役を演じることができるようになってくる頃、と考えられています。個人差はあるので一概には言えませんが、おままごとに至らなくても、お母さんの真似ができるようになってきたりする頃でしょう。実は、人の真似やおままごとができるということは、人それぞれの役割について想像を巡らせることができるようになってきた、ということなのですね。別の言い方をすれば、相手の言っていることが立場を含めてある程度理解できている、ということです。3年前に生まれたばかりなのに、人間の成長はすごいですよね。
ただ、理解できている、ということと、自分の気持ちを抑えて振る舞うことができる、ということとは全く別のことです。3歳くらいの子たちは、言葉も出るようになって、人との関わりも理解できるようになって、ぐんと成長したように見えますが、じつはまだまだ生後1000日の小さな子ども。ちょっとしたきっかけで、訴えが強くなることはまだまだよくあることです。
夕方の不機嫌は「疲れ」や「不快」のサインかも
今回のように、普段ご機嫌に過ごしているお子さんの場合、まず最初に考えたいのは、身体的な疲労です。幼稚園に通う子たちは午後のおやつの前に帰宅することがほとんどですが、夕方まで子どもたちを預かる保育園では、5歳児までお昼寝をします。お昼寝をすることで、5時過ぎに迎えにくる親御さんとの時間をしっかり過ごすための体力を回復させるのですね。WHOの指針では、3歳の子どもたちは1日10〜13時間の睡眠をとることができれば問題ない、とされていますが、健康のための睡眠時間確保とはまた別の視点で、「夕方から夜ご飯にかけて元気に過ごすためのお昼寝」という見方もあるのです。もしかしたらお子さんは、夕方少し疲れているのかもしれません。
また、子どもたちは、眠かったり、お腹が空いたり、何か身体的な不快を感じている時にそれを解消する手段を持っていないことがほとんどです。わたしたち大人も、疲れると人に優しくすることが難しくなったり、ひとりになりたくなったりします。そして、気持ちの良い音楽や、美味しい食べ物で疲れを癒したりすることがあるでしょう。お子さんたちは、そうやって大人が経験で身につけてきた「自分の中の不快感」を解決する手段を、まだ持っていないのですね。中には「これがあれば落ち着ける」という「ライナス(スヌーピーのキャラクター)の毛布」ような存在を見つけている子もいますが、ほとんどの子は「お母さんに安心させて欲しい」と思うもの。信頼できるお母さんにだけ見せる「わがまま」は、お母さんが、まだ自分自身で気持ちをコントロールできない子どもたちの、大事な心の安全基地になることができている証拠でもあります。これまで大事に子育てしてきた成果です。自信を持ってくださいね。
機嫌の裏にある「ゆらぎ」を見る
もっと小さい頃は、赤ちゃんが泣くと、お腹が空いたかな?眠いかな?おむつが不快かな?といろいろ赤ちゃんの生理現象を機嫌と関連させて考えていたと思います。ご機嫌斜めのときには、いまいちど、生理現象や生活リズムに目を向けてみてください。機嫌が悪いなあと思ったら便秘だったり、最近お友達と喧嘩しちゃうなあと思ったら寝不足が続いていたり、どうも様子がおかしいなあと思ったら学年末で自分の担任の先生がいなくなってしまうことについて心の整理がついていないだけだったり、「大人だったらそのくらいの「心身のゆらぎ」は自分でどうにか折り合いをつける」ことに、対処できずに困っているのかもしれません。「気持ちを表す言葉」は、大人でも見つけるのが難しいもの。語彙の少ない時期だからこそ、日々の生活の様子を味わいながら、子どもの中のゆらぎの安全基地になっていきたいものですね。
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